このところばたばたしてまして、遅ればせながら7月19日のライヴをレポートします。大阪の新世界にあるBridgeにて、ギタリストAntoine Berthiaume (http://www.antoineberthiaume.com/) の来日に合わせ、即興ナイトが企画されました。アントワンはカナダのモントリオール・シーンから出て、米国西海岸オークランドのミルス・カレッジで作曲を学び、現在はニューヨークでも活動中。初作品『Soshin』にてフレッド・フリス、デレク・ベイリーとの共演を果たすなど、注目の若手音楽家。私を含め出演者全員がアントワンとは初対面で初共演。噂では手数の多い方でテクニック系と聞いていました。今夜の組み合わせは、アントワン+2人のトリオで3組。最初に磯端伸一(guitar)+岩田江(saxophone)、2番目にTim Olive(Tabletop Bass)+西川文章(guitar,PEQ Feedbacks)、3番目に稲田誠(contrabass)+Haco(voice,electronics)。楽器の響きやノイズを耳で追いながら、フレーズの応答的なやりとりはあまりなく、微妙なバランスを保った演奏が展開されました。大阪の若手も一発勝負ではなく、いい即興音楽を心がけているのがよく伝わってきます。このかんじは音響派とかなんとか意識しなくても、もうあたり前のように消化されているのだな〜と感心。わたしはへそ曲がりなせいか、ジャパインプロ系のできてしまった作法のかたちや聴き手との駆け引きに「はい、そうですか」ってしらけた気分も浮かんでくるこの頃です。認知された時点から、宿命的に古くなっていくのは仕方のないことでしょうね。ポスト的なものっていったい何? まだ見えない何かを探す状態を気に入っています。アントワンさんもいろいろさぐっている途中なのでしょう、とても謙虚な音楽家でした。わたしは最近システムをラップトップに移し替え、即興で使うのにも少しずつ慣れたいな〜と思っているような段階。稲田さんとちょっとこんな話もしましたね。それぞれに並行して進んでいき、それぞれの演奏を斜め聞きくらいのかんじで、ただしなんらかのドライブはしている。どうなんでしょうかね〜、それもありかと思えます。やんちゃな即興音楽がまた今後生まれてもいいな。いろんなこと考えさせられました。じっくりと耳を傾けるBridgeの常連客もしかり、アーティストにとって落ちついて、実験精神や次代への展望をも巡らすことができる、そういうゆるやかな場所と人が必要なんですよね。(写真は、右から企画人の西川文章、Tim Olive、Antoine Berthiaume)
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歌手作曲家、プロデューサー、サウンドアーティストとして精力的に活動中。
元アフターディナー、ホアヒオ、ヴューマスターズ(現音採集観察学会)を主宰。
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