別府のフェスティバル「混浴温泉世界」を体験してきました。



山間を眺めると煙突からあちこち立ち昇っている湯けむりが幽玄のごとく。土地が魔性を放っている温泉街周辺の建造物、民家、公園、商店街、港、などで繰り広げられている国際作家の展覧会に加えて、コンテンポラリーダンス、コンサート、展示アパートメント。街中でアートと混浴しながら新たな活気を呼び起こそうとしています。フェスティバルは6月半ばまで続きます。

詳しくは公式ページをご覧ください↓
「混浴温泉世界」http://www.mixedbathingworld.com/

現代美術／コンテンポラリーダンス／音楽／散策ツアー／レジデンスプログラム
"Beppu Contemporary Art Festival 2009 - Mixed Bathing World"
別府現代芸術フェスティバル2009

日時：2009年4月11日〜6月14日（65日間）
会場：大分県別府市内各所約、鉄輪地区、別府国際観光港、他
総合お問い合せ：NPO法人 BEPPU PROJECT


4/28〜5/10、ダンス作品のレジデンス制作公演で参加いたしました。フェスティバルの一環、Beppu Danceのイベント、「DANCE X MUSIC !」にてダンサーデュオ"星三つ"とのコラボレーションです。わたしは音楽担当。現地で一緒に三人インスプレーションを沸かせながら本番へと、がっつり組み合った怒濤の13日間でした。

●2009年5月10日

「DANCE X MUSIC !」
<ムシンガイ (MUSHINGAI)>
ダンス：星三っつ (三浦宏之＋星加昌紀) X 音楽：Haco/エレクトロニクス、ヴォイス
会場：別府国際観光港（関西汽船のりば2F）
Beppu Danceディレクター：NPO法人 Japan Contemporary Dance Network (JCDN)

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昭和レトロなアーケードの中にある稽古場Platform01で、星加さんと三浦さんはさっそく振付のスタート。わたしも同じ場所でパソコンなどを用いて音鳴らし。三人でテーマを話し合ったり、すこしずつ、動きと音のパーツを組み立てていきました。


写真左：別府商店街ダンス化計画"ダンサーを探せ!!"のイベントの模様。参加者は青い風船を付けて練り歩き、路上、路地裏、お店などでダンサーを見つけます。

写真中：町のいたるところで、アデル・アブデスメッドのネオン作品の展示がさりげなく目に入ってきます。風情ある不老泉の入り口にも。 商店街周辺でアートゲート・クルーズにも参加してみましたが、作品を鑑賞するだけでなく、作家の制作エピソードや、町の歴史的なこと、グルメなお店の情報などナビゲーターのお姉さんに教えてもらえて良かったです。

写真右：混浴温泉世界の国内展「わくわく混浴アパートメント」。若手アーティストたちがぞくぞくと集まって来て、日々アパートの中での展覧会が更新されていきます。



我がダンス・チームは会場に移って、リハーサルを続行。普段は別府国際観光港、フェリーの船着き場という用途の場所をいかにダンス空間に変貌させるか？というチャレンジがありました。この空間の対角線状に長いステージを作ることに決まりました。 壁一面にフェスティバルの出展作家マイケル・リンの作品。奥の部屋にはジンミ・ユーンのビデオ・インスタレーション。共存する場のなか、今回のクリエーションは音出しの時間制限もあったりしたので、公演日が近づくにつれ写真を撮るのも忘れて、というか音楽のプログラミングや演奏に集中。なので写真はここまで。


なんとかぎりぎりだったけど、本番では別次元にぴゅいと飛ぶ越えるようなノリというか、手応えがありました。照明に浮き立った2人のダンサーの影。<星三つ>による変容する虫のからだ、水も飛び散る鮮烈なパフォーマンス。長ステージの先端で手元も忙しく演奏しながら、間近に目撃するあの瞬間瞬間、うーん胸躍りました。思いのほかお客さんも入ったし、公演自体すごく盛り上がっていました。

<星三つ>の三浦さん、星加さんと別府で初めて出会って、一から作品づくりに取り組めたことは、ほんとうに幸運なこと。お互いにアイディアをシェアしながら、現場の雰囲気にも影響されつつ、じつに楽しく車輪は転がっていたなー。個人的には、男性の振付家と共作したのも初めてで、普段とぜんぜん違う部分を刺激される、サウンドのスピード感というか、爆音いけたよねー。

混浴フェスティバルのスタッフやディレクターのJCDNの支えによって、「ムシンガイ」の初演を無事に終えることができました。心より感謝いたします。
三浦さん、星加さん、がんばったよね。どうもお疲れさまです。お互い身体には気をつけましょうね！


追記： ゲネの写真などが、JCDNうろうろ日記に、アップされています！！