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7月初旬に東京調布市で開催されたフェスティバル「JAZZ ART せんがわ 2010」 に参加出演いたしました。
私自身はワークショップ、コンサート (with 坂本弘道、荒井良二)、John Zorn's COBRAという3つのプロジェクトが進行し、みっちり詰まった期間を過ごすことができました。
準備やリハーサルも含めて、フェスティバルで出会った素敵な人々、一緒にプレイしたアーティストたちに驚くほどのエネルギーをいただきました。
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まずは、2日連続で実施しましたワークショップの模様をレポートします。

●日時:2010年7月10日(土)13:30~17:00・11日(日)13:30~16:30
「Hacoの音虫眼鏡ワークショップ」~即興の楽しみ方~
会場:せんがわ劇場 (東京都調布市) リハーサル室、廊下、屋外
参加者:11名 (2日間)


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[1日目]
20代(半数近く)〜70代と幅広い年齢の参加者が集まりました。リハーサル室でそれぞれの生音に耳を傾けながら、目が届く範囲のほど良い人数でした。(写真:左)
各自が持ち込んだ楽器類・音の出る物は、笛・カンジーラ (インドのタンバリン)、リコーダー・アンデス (ピアニカ型で笛のような音)、ギター・ピアニカ、クロマティックハーモニカ、おもちゃ・小打楽器、iPhone、牛乳瓶、金属棒や器、ミニ缶などなど。

最初に自己紹介を兼ねて短いソロ。
iPhoneのアプリを用いて音を鳴らしたり、複数の空き瓶を擦り合わせたり転がしたりする人もいて、なかなかの個性派ぞろいだなぁという印象。持ち歩きのできる楽器で、小音量だけどバリエーションもあってよかった。さらには、声も身体も使ってみましょう、と呼びかける。

この2日間で、即興についてアイディアを膨らませたり、音の表現の可能性を拡げたりするヒントを発見してもらえたら嬉しいな、と思ってプログラムを組んでみました。

・即興のための音のゲーム (ジョン・ゾーンのCOBRAに通じる部分の応用)
・沈黙、空白をとりいれた同時多発的ソロ (ジョン・ケージのミュージサーカスに習った要素)
・マイクロフォンによる増幅の効果 (FLUXUS的またはサウンドアート的な方向性から)
・耳を澄ますこと、音の風景 (環境音楽やヴューマスターズ的な要素)

とっかかりとして、そんな事をかみくだいて説明しながら、誰でもやってみれるような例を取りだしてみる。
そして、さっそく皆で音出ししてみました。

後半はサウンドウォークにでかけました。
散歩しながら、メモ帳に〔好きな音、嫌いな音、気になる音、まねできる音〕などを各自で記録してもらいます。せんがわ劇場から出発、小公園、商店街を抜けて、学校の道沿いを通り、ゆっくり歩いて15分くらいで、目的地の実篤公園 (武者小路実篤記念館) に到着。
炎天下のなか歩いてきた街の雑踏や車の音から一転し、公園内はひんやりとした静やかさ。敷地内には池、湧水の滝、竹林、野草園、旧実篤邸などが、コンパクトによく整備されています。自由に耳をすませながら時間を過ごしました。
ここにはコンクリート造りの地下通路が2つある。手を叩くとビャ〜ンというフラッターエコーの響きがします。「さあ、皆さんここで音を出してみましょう」と言うと、皆待ってましたとばかりに懐から小さな楽器類を取り出し、無邪気になって、音そのものと空間の響きを楽しんでいました。(写真:中)

サウンドウォークの帰り路では、街中の小公園にてフェスティバルの一環である〔CLUB JAZZ 屏風〕のグループ即興演奏を見学。ワークショップ参加者の1人も飛び入りし、それも刺激になって良かったようです。(写真:右)


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(上3枚の写真提供:せんがわ劇場)

[2日目]
はるばる京都から参加してくださった方が1名加わりました。楽器は龍笛。
2日目はノイズ系のエフェクターなど、道具を足した人もいます。その一方で、ライターみたいな缶の蓋を開け閉めしたり、鍵束をカチャカチャさせたり、超ミニマルを貫く人もいるのです。

いろんなバリエーションで即興の手法を実践してみる。
だんだんと皆さん、お互いにリラックスしてきたのか、床に座ったり、動き廻ったりして、ずいぶんノリノリになってきました。音の出し方にもどんどん工夫が見られるし、自発的なアイディアも飛びだしてくる。

初日のサウンドウォークで得た材料〔好きな音、まねできる音〕を使って、3分間の間に3つの要素と空白を入れるという課題。いっせいに各自が演奏する形式でしたが、環境音を楽器や小物を使って表現したり、声で擬音をつくったり、マイクを利用したり、列車のアナウンスを繰り返したりして、それぞれが独自のやり方でじつにユニーク。「散歩」と名づけたくなるような秀逸の曲ができていました。

防音の施されたリハーサル室を出て、廊下でパフォーマンス。
高い天井が斜めになった3階の廊下では、よく音が響き渡る。安藤忠雄氏の建築による幾何学的で細長い空間。そこで、定員3名づつの演奏リレーをしました。楽器類を持って、空間をうまく利用しながら往来するという演奏。サイトスペシフィックな即興ですが、皆がうきうきしているのがよく伝わってきたし、ぴしっとした空気が流れていました。

リハーサル室に戻って、ハンドキューを用いた即興ゲームの続き。だんだんと複雑な要素が足されていくのに、皆は驚くほどの吸収力と集中力を発揮。凄いです。参加者のリクエストで、全員が声のみを使ったバージョンも面白くて、すばらしかったです。

最後に、私自身も加わって、3組のトリオと共に短いフリー・セッション。

いやもう、2日間ほんとうに楽しく皆さんと一緒にワークができて幸せでした。
ワークショップの内容は、あらかじめ綿密に計画したものではなく、仙川に来て下見や散歩しながら思いついたり、参加者の自主性を受けとめながら進めていった部分もあります。私自身もここへきて多くの発見をしました。
いろいろとお力を貸してくださった〔せんがわ劇場〕のフェスティバル実行委員会、スタッフの方々へ感謝の念にたえません。
そして参加者の皆さん、長丁場のワークショップお疲れさまでした。2日間お付き合いいただき、どうもありがとうございました。



「即興を通して音の持つ楽しさに触れることができた二日間でした。 」後日、参加者の方からこうコメントをいただき、喜んでいます。

その遊び心を忘れずにいてくださいね。
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HACO
歌手作曲家、プロデューサー、サウンドアーティストとして精力的に活動中。
元アフターディナー、ホアヒオ、ヴューマスターズ(現音採集観察学会)を主宰。
隔月刊ニュースレター配信中。

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