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皆さん、"Less than Lovers, More than Friends (Live)" のオルタナティヴ・ミックスのmp3が、Soundcloudからダウンロードしていただけます!オリジナル・ライブレコーディングの音質はあまり良好とはいえませんが、このバージョンを楽しんでもらえると嬉しいな。よい年の瀬をお過ごしください!♡

Hey, you all!! Here is the link to the alternative mix of "Less than Lovers, More than Friends (Live)", and the mp3 is now downloadable through my Soundcloud! The sound quality of the original live recording (2000) wasn't very high, but I hope you could enjoy this version. Wishing you Happy Holidays, everyone!! x


Haco + Happiness Proof
Less than Lovers, More than Friends (Live/Alternative Mix 2015)

LessThanLoversMoreThanFriends.jpg


Haco: vocals & guitar
Atsushi Tsuyama: guitar
Christopher Stephens: guitar
Bill (of COA): drums
Guest: Makoto Inada: contrabasses

Words & music by Haco
Live recording by Yoshie Yasuumi at Bears, Osaka in 2000
Additional recording by Haco at Mescalina, Kobe in 2007
Mixed and produced by Haco in 2015

Artwork by Tsuyoshi Azegami

- Lyrics -

Less than lovers, more than friends
Less than lovers, more than friends

恋人未満の友情の火花を散らして
未知の種類の予感が的中する

Less than lovers, more than friends
Less than lovers, more than friends

Sparks fly from a friendship of less than lovers
Unknown kinds of premonitions will come to pass



☆このバージョンは、物販のおまけで配布していたCDRとは別ミックスです。2015年冬オルタナ版としてリミックスしました!
海外のリスナーの方々から入手したいという要望を度々いただいていたライブ録音なので、無料配布します!




































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東日本大震災から1ヶ月が経ちました。
地震のうえ、津波、原発と未曾有の大災害で、
亡くなられた方々や、大切な人を失った方々、今も避難し続けている方々、
原発事故の処理にあたっている方々のことを思うと、
胸がしめつけられて、うまく言葉もでてきません。

95年の阪神大震災で罹災した時には、わたしの住んでいた西宮市の地区でも、
1ヶ月間ガスと水の供給が停止状態でした。
地震直後に、愕然としながら近辺を歩き回りました。
ぺしゃんこに全壊した家々、陸橋の上に高速道路が崩落、
5階建てのマンションの数階が圧しつぶれて大きく傾いていたり、
そんな自然災害による壊滅的な様子を目の辺りにして、
自分の住処が持ちこたえ、「生きている」ことが奇跡のように思えました。
ですから、ガスや水がなくても、お風呂に入れてもらうために大阪の知人宅へ向かうのに、
まだ復旧していない電車のレールの上を数駅も歩きつづけても、ぜんぜん辛いと思いませんでした。
須磨区の実家の方は、家の床が傾き柱が歪んでしまいました。
父母は余震を恐れて弟の車の中で1晩眠り、避難所から仮設住宅へ移って、1年半暮らしました。
そのころ、自衛隊が設置した仮設浴場や地方から支援してくれた方々の炊き出しが
たいへん有難かった、と今も語り合っています。
お互いに思いやりながら声をかけ合って、「希望」をもてば、ヒトは乗り越えられるものなのです。

ただ、この度の甚大な災害には、津波によるものと、原発による事故という人災が重なっています。
阪神・淡路大震災の教訓はいかされているでしょうか?
政府の対応の遅れ、情報が隠蔽されているのではないか?という疑問は事故発生3日後あたりから、
うすうすと感じはじめた人も多いはす。

先月中旬に、東京から姪っ子0歳8ヶ月と義妹が神戸に疎開してきました。
おてんばではいはい、もう目が離せない時期です。今はいったん東京に戻っているのですが、
ミルクをつくる安全な水の確保など、家族ともども気がかりではあります。
東京と神戸を行き来する機会が度々ふえることでしょう。

赤ちゃんや幼児の健康の心配、当然のこと。
そして次の世代に、十何年も冷却にかかる原発の後片付けを押しつけなければならないこの状況。
事態がすこしでも良くなるように、「希望」がもてる変化が起こりますように、
地球に棲息している生きものの一つとして、願わずにはいられません。

音楽やアートの表現については、自らの内なる声に耳をかせばいい。
それぞれができるタイミングで。
それぞれがちがう感性でもって。
過去、現在、未来をつないでいく精神世界の絵巻として。
それもヒトにとってもう一つの生きること。

海外の友人、アーティストたちからも、今回の震災後の状況を気づかったり、
お見舞いのメールをたくさんいただきました。ほんとうに有難く思っています。

毎年咲いてくれる桜に、希望をこめて、復興への祈りをこめて
come into bloom..

sakura1.jpg



sakura2.jpg



sakura3.jpg
〜新しいもの〜

今月は次作のソロアルバムに向けて、主にラップトップでしこしこ作曲していました。
オーガニックなラップトップ・ミュージック(アンビエント、グリッチノイズも含めた)、エレクトロニカ+歌の新曲集になる予定。
まだ骨組みたいなものしかないのですが、曲ネタはけっこう仕込みましたね。

そうこうしているうちに、ノルウェイの音楽家Phonophani (aka. エスペン・ソマー・エイド) さんから届いたメール。以前、彼のソロアルバムのためにヴォーカル・トラック「Gubijinso (仮名) 」を寄贈しました。「あれね、こういう方向性でアレンジしてるんだけど、どう?」と書かれてあって、メール内のサイト・リンクをクリックした途端、自動的にmp3のダウンロードが始まった。まったくサイパーテクノロジーに精通している人って、こんなマジックをいとも簡単にやってのける (わたしが疎いだけかもしれないけど..)。サウンドファイルをさっそく聴いてみたら、うふふ、おもしろいじゃないの。まるでゲームセンターのようなエレクトロニクス色の強いサウンドが、複数のヴォーカル・トラックと共存している。Max/MSP遣いでどちらかというとアヴァンギャルドな電子音楽家の彼は、ALOGというユニットでノルウェイのグラミー賞エレクトロニカ部門に本年度ノミネートされたそうです。本人たちもちょっと驚いているようす。

そうだ、いいことを思いついた!逆コラボを提案してみよう。こんどは、わたしのソロアルバムのために彼をゲストとして1曲エレクトロニクス・トラックを委嘱させてもらえないかしら?
さっそくメールを送ると、即答で「Yes!」のお返事をいただいた。
どういう展開になるのかまだ予想はつかないけれど、日本-ノルウェイの遠距離コラボレーションは続行中です。



〜古いもの〜

10年間というもの、レコーディング専用機として愛用してきたデスクトップPower Mac G4の駆動ノイズがかなり耳障りになってきた。とくにヴォーカルや生楽器などのマイク録りで深刻な問題です。真夏なんて、本体の加熱に応じて内部ファンが掃除機なみの轟音を発します。せめて、ゴーゴー、ブーンブーンという種類の騒音から、サーサーという程度の動作音にならないものだろうか?

静音化対策の第一歩は、冷却ファンの交換です。
オリジナルの2基から7基構成へと変更し、エアーフローの改善をはかりました。
main fan.jpgnakami.jpg


ところが、ハードディスクの共振音を含めて倍音のドローンがよけいに気になり始めた。
筺体内部の金属面が響板化しているらしく、G4デスクはまるで楽器なみに手強い相手だ。

black.pantsu.jpgそれにもめげず、制振・防音材を購入。
ゴム系で厚み1.5ミリの粘着シートをケース内の天板や共振しそうな金属板部分に貼ることにした。
外のケース側面にもぴったり貼りつけると、見た目がブラック・タワー!
不具合があればすぐ剥がせるように、保護テープを下に敷いているので安心(加工に2倍の手間がかかりましたが..)
気休め程度かな?と半信半疑でしたが、その効果はかなりなもの。
すっかり「大人しく」なったG4くんなのでした。

控えめな音量で音楽をかけていても、存在を忘れてしまえるレベルになりました。
動作チェックもいまのところ良好。



いちおう一件落着ですにゃ。

hashimoto sensei.jpg
最近、ノルウェイのデジユニットAlogのメンバー、ラップトップ奏者のエスペン・ソマー・エイドさん (aka. Phonophani) とコラボレーションしました。彼のソロアルバムの一曲のためにヴォーカル・トラックを委嘱。
エスペンはノルウェイの第二都市ベルゲンで毎年開催されているTrollofonフェスティバルのキュレーターでもあります。2005年春にわたしも参加させていただきました。風光明媚で坂の多いベルゲンの街のシンボルともいえるトロリーバスの中で三日間乗り合いコンサート。その時、わたしのステレオ・バグスコープで電気バスの電磁波を拾うパフォーマンスをしてほしい、という前代未聞の提案をしてくれたのは彼です。その時の詳しいレポートは過去のブログにあります↓
http://blog-haco.diskunion.net/Entry/3/
http://blog-haco.diskunion.net/Entry/4/

espen.engineer.jpg

(写真は、ベルゲンのトロリーバス内で仕込み中の撮影。奥の方に立っているのがエスペンさん。前方はエンジニアさんです。)

2004年にAsh in the Rainbow(坂本弘道+Haco)でヨーロッパツアー中、スイス地方都市デュディンゲンでおこなわれた野外フェフェスティバルで演奏した際に、同夜に出演していたAlogと遭遇。その時以来、交友は続いています。
ところでみなさん、「違う国の人なのになんだか知人に似ている!」ってかんじたことありませんか?エスペンは、わたしにとってまさに「ノルウェイの大谷安弘さん」というイメージなのです。コンピュータに強く気骨があるけどほんわり、しかも見た目がミュージシャンらしからぬフツーの人 (?)。大谷さんとは今月21日に神戸ジーベック「BaraのRadio」で共演するのが楽しみ。うふふ、めぐり合わせですかね。

エスペンに話を戻すと、Trollofonフェスティバルでは自分は演奏せずにしっかり世話役に回っていました。ケータイ電話 (もちろんノキア) をイヤホンとマイクを使って通話するタイプの人物です。
今回のコラボでは、「これこれで直接サーバーにアップロードできるよ」と彼からメールで指示されたので、録音済みの7つのヴォイス・トラックとサブミックスのサウンドファイルを収めたフォルダーごと直接納品することに。FTPクライアントを立ち上げて、教えてもらったパスワードでログイン。(おやおや、相手先のサーバーにお邪魔してます..) と気兼ねしつつ、約1時間でアップロード完了。

数時間後にエスペンからメールが飛んできて、「ダウンロードしたら返事するよ」。その40分後に「今サブミックス聴いてるけど、見事な (stunning)トラックだよ! 」と上々の反応が返ってきました。この手軽さと迅速さ!まるで近所の兄さんとやり取りしているような感覚です。とてもノルウェイー日本の距離間じゃありません。

ほっ、作業完了。あとは彼が素材をどう料理するかです。コラボ曲の進展が楽しみでしかたありません。



このヴォイス・パートは日本語で歌っていて、"虞美人草 (ひなげし)"をモチーフに歌を書きました。古代中国の虞妃の悲劇にひっかけいたってシンプルな詞になりました。で、これを機に、以前から興味をそそられていた夏目漱石の「虞美人草」も真面目に読んだりした。ポピーは昔から世界のあちこちに見られる野花だから、いろいろとイメージが広がればいいな、と思っているんです。
・∴ ∴・∵・∴
趣味的動画サイト (http://www.youtube.com/HacoMovie) を作成しました。

Still Movieは、ライヴ演奏の背景とか、壁紙的に用いるための存在の薄いムービーのシリーズです。
まるで静止画のような、時代に逆行して低画質嗜好、脱力系をモットーにしています。

このサイトではサウンドアート系のパフォーマンスの記録映像もアップしていきたいと思います。
いずれにせよ、暇をみてゆっくりとしたペースで更新する予定です。

・∴ ∴・∵・∴

第一弾!

EASY BLUE - Still Movie 1 - by Haco
Featuring the song, "No Envy, No Meanness" from the album, RISKA.




これはショートバージョンで、「ノー・エンヴィ、ノー・ミーンネス」(アルバム"RISKA"収録曲)をフィーチャーし編集していますが、オリジナルの『EASY BLUE』の長さは、約24分(サイレント)あります。



また、こういった趣旨のもとに、music / images / talk (ミュージック / 映像 / トーク) のイベント(仮名:Scenes & Folks)を考案中です。
共同企画にご興味のある方、映像作品を提供してくださるアーティスト、参加者を募集しています!!
久々にソロアルバム「Riska(仮タイトル)」の制作を再開しています。
PTのマルチトラックに放り込んだままの素材を編集して、ミックス作業にさしかかるところ。
でも10月後半はダンス・プロジェクトのオーストラリア公演なので、また中断を余儀なくされちゃうんだな〜;)
こういうサンドイッチ状態のスケジュールは、感覚をとりもどすのにちと苦しみますねぇ。
作業しなくちゃと思いながらも、ついつい別のことを始めてしまうわたし、、。


まあそれはさて置いといて、今回のアルバムで発掘され、お別れをしたスネアくんの話を。

snare.jpg このYAMAHAのスネアはスタジオの押入のなかで何年も眠っていました。
ところが、恵良真理さんのマリンバを録音中に、ある倍音に共振するビリビリというノイズに気がついたんです。
過去に、角田俊也さんの作品で港周辺の振動を拾ったCDをかけている時、何者かがクロゼットの中で鳴っているのはうすうす感じていましたが、、。
それ以外はこんな目立った被害はなかったので、すっかり忘れ去られていたものです。
押入にはケーブル類がぶら下がり、引き出し式の収納箱にはガラクタやマニュアル類、その奥には引っ越し以来手つかずの段ボール箱、、。動かすのも顔をつっこんでみるのも億劫です。
しかし、調べなければ、どうしてもっ。今回にかぎっては目をつぶるわけにはいきません。
...そして、ついに、ついに...スナッピーを張ったままのスネアを発見!
このコは暗闇で楽器として存在表明していたのですね。妖怪化していたのかも(笑)

結局はこのスネアを救出してから、後日マリンバはきれいに録り直しをしたのです。
歌とマリンバ三重奏のみのシンプルなアレンジでいく曲にしたので、やっぱりこれは正解でした。

つい、数週間前に稲田誠さんがスカリーナスタジオに再訪。
といっても録音じゃなくて、二人で飲み会でした。前にコントラバスを弾いてもらった曲も含め、アルバムの途中経過もちらっとお聞かせできて、よかった。
みになること、ならんこと、だべって愉しかったにゃ。
ついでに、廊下で埃をかぶっていたこの胴深のスネアをもらっていただくことにした。
うちでは邪険にあつかわれていた気の毒なスネアくんですが、 こんどはベーシストと仲良くしてください。
marimba.JPG 4月2日は、メスカリーナ・スタジオにてマリンバの録音。いよいよ京都から恵良真理さんの登場。
今回わたしが譜面を書いた「Purusa」のためのマリンバ三重奏や、打楽器のレコーディング。
いつもながら、センスのよい端正な演奏がすばらしい。難度の高いものでも楽々とクリア、まるで人力シーケンサー。

ただ、この日は雷雨にみまわれたうえ、なぜか日曜日なのに、近所の建築工事が休まないで、カンカンと釘打ち(内装のラストスパートをかけているのでしょうか)。マイクにかぶってくるのではないかという焦りを隠せませんでした。悪条件が重なり、途中で中断すること数回、エンジニアに集中できなかったかも。結果的には美しいOKラインの録音ができたとは思うのですが、後で聴き直すとほんの少し気になる要素も、、。もうすこしじっくりチェックした方が良かったかな、という反省しきり。じつはマリンバの倍音マジックというのがあって、響きの共振やら高周波歪みやらときどき思いがけないことが起きるのです。(もしかして、クロゼットのなかのスネア太鼓かなんかが共鳴したかも?みたいな、、でも実際のところはわからないのですが)。それ以外はサイコーでした。
ひとまず、まりさんには来週のレコーディングも残っているので、確認してみよう。その腕、頼りにしてまっせ!

恵良真理さんの低音マリンバ、ヴィブラフォン、ベトナムの竹琴など素敵な演奏が女性トリオ"ホアヒオ"のCD「Peek-Ara-Boo」でも聴けますよ。




sakura4.4.jpg4月9日、続・極上の"まりンバ"録音に挑戦。日曜日、絶好のお花見日和となった夙川沿いオアシスロードは、人出で賑わいました。 昨年からバーベキュー禁止になっているほど、ここはメッカなのです。

まりさんが二週目のレコーディングのために到着。
さっそく、桜の木の下で一緒にお弁当をいただく。ほっこりした気分。

マリンバの鍵盤は木なので、晴天の日の方が乾いて鳴りがだんぜん良いこともあって、再録音してみることにしました。
マイクセッティングも前回より念入りにチェック。

ああ、今日は音が飛びだしてくるかんじで、豊饒な響きが立ち上がってきます。
三重奏のアレンジもしっくりはまって、積み重なると背筋がゾクっとするくらいのクオリティーです。
ミニマルでちょっとライヒを彷彿させたりもします。でもポップな曲なのですね。
mari.spring.jpgこのレコーディングの精度はまりさんのテクニックなしでは実現しませんでした。

彼女は自分で糸を巻いてマレットを作ることも多いそうです。
マレットを変えるだけで、同じフレーズでもがらっと音色が変わるから驚きです。それと、部屋の響きが一体となってひとつの楽器なんだということをあらためて実感しました。


他にも、スネアドラムの上にコイルを置いた奏法や電ノコ刃、シンバル系を録音させてもらいました。 そうそう、真鍮の球のオブジェ作品も演奏で使われて、振ると神秘的な音を醸しだしました。
極上のレコーディングができてうれしい!




mari.vib.kumitate2.jpg4月16日は、まりさんをゲストに迎えた3連続日曜日、さいごの音入れでした。
毎回、まるでお引っ越しのような打楽器の運搬作業がついてまわります。彼女は車で到着すると、さっそくヴィブラフォンの組み立てに取りかかりました。
運搬、組立、解体がいつもセットなのです。こんな繰り返しを忍耐強くこなせる打楽器奏者という人種を尊敬してやみません。

「フラッシュバック」という曲にアドリブで、とお願いしていたのですが、まりさんは3パートのアレンジ譜をちゃんと用意してきてくださいました。
なんて緻密な、楽曲の解釈や響きの重なり具合といい、パーフェクトな美しさです!
わたしの仮歌コーラスとへたくそなオープンチューニングのギターが入ってたんですが、彼女のヴィブラフォンが入ると、想像以上にりっぱな曲になりました。ああ、それにしても気持ちのいい溶け合い方です。

他の一曲では、リズム構成もので、クラベス、マラカス、カウベル 、カスタネット、フィンガーシンバル、トライアングルなどを順々に録り分けしていきました。
わたしの手弾き電子ベースと合わせてもスカスカになるような、ほのぼのレゲエみたいな、玩具っぽい可愛らしい味がでました。(この時点ではなんといなく"パラダイス・オブ・レプリカ"を彷彿とさせています)。

とにかく、腕前の鮮やかなのはいまさら言うまでもないのですが、今回彼女の打楽器パートの構成力、音選びの磨かれたセンスにも脱帽です。

3回に渡る大仕事でしたが、さくさくとレコーディングできたのは、彼女の力量におうところが大きいですね。
ほんとうにお疲れさまでした〜!サンクス、まりさん!
mari_komono.jpg
写真のマレット・ケースや小物パーカッションは大工道具みたいで、職人ぽくてじつにかっこいい。
(写真上 by 恵良真理さん、その他の写真 by Haco)
mami 1.jpg 4月1日、大阪中之島のギャラリーgrafに、イベント「Emer - 緑の光」- Sound Performance with Termin, Irish Bouzouki, and Voice -を見にいきました。川辺ゆかさんののびやかな歌声と赤澤淳さんのアイリッシュブズーキ、バイオリンでいろんな土地へ音楽の旅。mamieMUさんがコーラスしたりテレミンしたりすると、また別世界の時限に連れていかれるのでした。懐かしいようで聞いたことないような不思議なアンサンブルだな〜と思いました。

7月にここでmamieMUさんと何か共演させてもらう予定です。
tenants展の関連企画http://www.graf-d3.com/gm/


sakura+mami.jpg 4月4日、うす曇り。オアシスロードの桜は八分咲き。
mamieMUこと、まみさんが7月のライブの打ち合わせのため拙スタを訪れました。
彼女はもうすぐダムタイプのツアーでヨーロッパに発つので、
その前にちょっと何か音だしをしてみたいという。






ついでに、まみさんのテレミンとグラスハープも急遽録音させていただく。
遊びでいいネタが飛び込んでくる瞬間がたまらない。
グラスハープなんて、水を入れたグラスに指先でこするだけなのに、
なんてうっとりするような神秘な世界とつながっているんでしょう。
termin.jpgglassharp.jpg


そのあと、ハウリングポットとかバグスコープとかわたしの楽器を紹介して、
デュオライブのアイディアもふくらんできました。 いいもの仕込めそうです。
まみさん、どうもありがとう!
ぼちぼちにソロアルバム「Riska(仮タイトル)」のレコーディングを進めています。その間、コラボレーションや他のプロジェクトが入ってきたりするので、なかなかこれだけに専念するのは難しいのですが、焦らずじっくり制作していきたいと思っています。もうアルバム分の曲数は揃ったのではないかしら。歌詞とメロディをだいたい同時に作って、基本コードやパート譜を書くこともあります。ガイドとなるトラックを作成したら、いよいよ拙メスカリーナ・スタジオに大好きなゲスト・ミュージシャンをお迎えして、一緒に録音するのが心ときめく時間です。




ezaki1.JPG3月19日、江崎将史さんがトランペットをもって来訪。彼は六甲付近に在住なので、西宮は近所といえますね。江崎さんには4曲に演奏をお願いしたところ、いろいろとアイディアをもってきてくださいました。
「No Envy, No Meanness」は、溜息まじりのヴォーカルに薄いリズムが刻まれていて、空虚なかんじなんですが、この曲こそは彼のトランペットがぴったりくるんじゃないかとイメージしていたんです。江崎さんのミュートして吹く「プーーー」っていう一音は、まるで書道の筆で「一」の字を墨で書くようなのです。まず白紙に筆を落とすところに意識を集中し、筆をひっぱって、止めるまでの凝縮した時間に似ています。本人にそのつもりはないんでしょうが、あえて文字にしてみるとそういう風なニュアンスかな? 後半はそんな音が複数重なり繰りかえされるようにしました。これは予想どおりにめちゃくちゃハマりました。ウルトラミニマルな音響ともいえるのに、わたしの声と組み合わさると、なんだか幼気なふうにも聞こえてしまうから不思議なのです。

ezaki.cd.JPG「高圧線」という曲のイントロでは、彼はトランペットの朝顔をCDのディスクで塞いで吹いてみました。わたしが「CDのサイズと口径がぴったりなのね〜」と感心すると、「あっ、そういえば、気づかなかった」と彼は応えて、ベッ、、ブヒィ、、ベッ、、となさけない動物の鳴き声か壊れたダブルリード民族楽器のような音色を発しました。音の出にくさがミソのようで、ユニークな奏法です。また間奏では、大きめの空き缶のオブジェの擦音とコッ、コッというノイズをアンビエントなかんじで鳴らしてくれました。

あと2曲はアドリブフレーズものもあって(最近の彼っぽくない)、 こんなの頼んでヨカッタかなー?と心配したんですが、「ぞ〜んぶんに愉しみました」と江崎さんはふんわりと微笑しました。





自宅スタジオのいいところは、リラックスできてすぐお茶の間ばなしが始まるところですね。時々、しゃべりすぎて時間を忘れてしまうこともあるのですが(苦笑)。この日も「10年前の地震(*注:1995年1月17日 午前5時46分 兵庫県南部地震) の時にどうしてた?」っていう体験談から、ミーハーな音楽談義まで、話題にはことかきませんでした。晩ご飯も一緒に食べにいって飲んで、「おたがい生きててよかったねー。こうしていいレコーディングできるなんて幸せ 」と心のなかで素直に喜ぶ。

彼はヘンクツな音楽ばかりを聴いているわけじゃないってことが分かりました。おまけに、うちからグレートフルデッドとジョン・フェイフィのDVDを借りて帰ったし。「また夜なべして観てるんじゃないかしら?」と勘ぐっていたら、案の定こんなケータイ・メールが届きました。「もう瞳孔ひらきっぱなし、で寝れなかったです」だって。やっぱりね、江崎くんらしいわ〜。じゃっ、そのうちまたメスカリーナ・スタジオに遊びにきてくださいよね!
2月16日は、いま山本精一さんが音楽を手がけているサウンドトラックのレコーディングに参加するため、難波のスタジオ・クーパーへ。ここを訪れるのは2回目です。前も同じく山本さんが音楽担当をした、長編劇場アニメ「マインド・ゲーム」(湯浅政明監督)の録音に誘われたのですが、わたしは最後の字幕が流れる曲でバックコーラスや短いボサノヴァの曲にウイスパー・ヴォイスで入っています。なんとあのアニメーション映画は平成16年度(第8回)文化庁メディア芸術祭受賞という栄誉に輝いたそうです。同名のオリジナル・サントラCDやDVDも発売されました。当時(2003年8月)のレコーディングでは、ドラマーのチャイナさんがサブ・プロデュース的な役わりもしていて、とても張り切っていました。いつでも彼女のにっこりした微笑みは近くにいるものに安心感をあたえてくれていましたから、昨年の11月にアメリカツアー中の交通事故で突然に逝ってしまうなんて、どうしても信じがたいことでした。まだぽっかりとした空白のようなものが胸のなかにやどっています。でも、このスタジオにわたしが道に迷うことなく再び来れたのは、2年半前にチャイナちゃんがていねいに書いてファックスしてくれた地図のおかげなんです。わたしはそれをファイルに残しておいたのでした。天界から彼女がまたここへみちびいてくれたんだ、と心のなかでなんども感謝しました。

今回の録音のことは、前々から山本さんに振られていたのですが、実際に呼びだしがかかったのはやぶからぼうで2日前。「なんというかテキトーにお願いします。Hacoちゃんの好きにやってもらっていいです」って電話で言われて焦っちゃいました。クーパーに到着したら、助っ人で東京から駆けつけていたドラマーの大串さんも、ミキシングブースのソファーに腰掛けていました。ここに来てはじめて明らかになったのですが、このたびのレコーディングはイメージフォーラムが企画制作しているオムニバス映画の音楽製作とのことでした。『Tokyo Loop』という短編アニメーション作品集で、アニメーション作家、イラストレーター、現代美術家、漫画家、グラフィックデザイナー等、世界的に注目される日本のクリエイター16名が描き出すTokyoのイメージ--参加作家:相原信洋、伊藤高志、岩井俊雄、宇田敦子、大山慶、久里洋二、佐藤雅彦、しまおまほ、しりあがり寿、清家美佳、田名網敬一、束芋、古川タク、村田朋泰、山村浩二、和田敦。
(参照ページ:http://www.imageforum.co.jp/school/column.html)

聞くところによると、各作家ごとに当然イメージや曲調に関するオーダーが異なっていて、時にジンタだったり、ノイズだったり、イノセント系だったりと、なかなかたいへんそうな創作状況です。まず山本さんがわたし向けに選んできたのは女性作家の作品で、その絵コンテを見せてもらいました。すでにベーシックなリズムパートが出来あがっているところに、ほのぼのとしたヴォイス&エレクトロニクスをほぼ即興的に乗せることになりました。次の曲のエンディングでは、天女童子みたいなヴォイス・パートもいくつかリクエストに応えてやってみました。そして、山本さんがいちばん頭を悩ましていたのはどうも束芋さんの作品だったようです。「えっ、あのタバイモさん?」わたしは以前にキリンプラザで彼女のビデオ・インスタレーションを拝見していたので即座に反応すると、「えっ、作品を知ってたの?そ〜れはラッキーやなぁ」と山本さん。「ああいう、日常のなかの狂気っていうか、女性の残酷なコワサって、どう音をつけていいもんやらけっこうむずかしくて」と続けて、「だいたい男なんか台所とか風呂っていう部屋の概念ないもんな、だいたいオレなんか冬は風呂にはいらんし..」というくだりになると、大串さんが「そ〜れは、ちょっと違うと思うけどなぁ」とタイミングよく口をはさみました。「そうです、それは男とか女の問題じゃなくて、ヤマモトさんの問題です」って笑い出しそうになりました。いつもながら仕事中も雑談がおもしろくて、とめどがなくなりそうになります。それから、わたしはレコーディング・ブースに入って試しにコンタクトマイクを使って、輪ゴムを弓で弾いたり、小シンバルを棒で擦ったりして演奏してみました。「どう、コワイすぎ?お化け屋敷みたい?」。すかさずに、山本さんの声がヘッドフォンに「その音、ぜーひとも、ほしい!」と伝わりました。以上で、OKテイクとなりました。多少なりともお役にたてたみたいでよかったです。こういう趣旨のレコーディングに参加できただけで、光栄でした。映画全体の仕上がりがとても楽しみなところです。
HACO
歌手作曲家、プロデューサー、サウンドアーティストとして精力的に活動中。
元アフターディナー、ホアヒオ、ヴューマスターズ(現音採集観察学会)を主宰。
隔月刊ニュースレター配信中。

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