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6月2日、午前中にパリのアパートからタクシーでオルリー空港へ。これからソロ公演のために、ポルトへひとっ飛びすること約2時間。ポルトガルを訪れるのは、初めてのことです。参加するセラルベス・フェスティバルに関しては、クラウディアのアソシエーションとはまったく別口で出演依頼が来ていました。わたしのヨーロッパ滞在の日程とうまく合いスケジュールに加えることができたのです。

ポルトの空港に着くと、ここは夏日でした。からっとした雲ひとつない青空が広がり、サイコー! やっと、長袖の上着を脱ぎ捨て、ノースリーブに着替えることができそうです。フェティバルのポスターを広げて出迎えてくれたスタッフと車で移動。街角のホテルでしばし休憩後、さっそく会場入り。本番は明日ですが、大規模なフェスティバルのため、前日にサウンドチェックをすることになりました。

現代美術館Museu Serralvesの3階ホールでわたしは演奏することになっています。ここは音響もよくて、歌のリバーブやラップトップも出音も問題なく、すんなりとチェックは完了。「500席あるけど、フェスティバル中はほとんど埋まってしまいますよ」と、ディレクターのペドロは話していました。
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「まだ、 会場ぜんぶを見てませんよね」ペドロに連れられて、国立美術館の完璧にデザインされた白建物の1、2階をさっと歩き回ると、クリスチャン・ボルタンスキーの展覧会なども開催中でした。表玄関から出て、広場を横切り、小さな森のなかに入っていきました。「ここには1920年から40年にかけて作られたいろんな18種類のガーデンがあるんです」。淡いピンク色の砂道が優雅です。幾何学模様や小さな噴水、バラ園など、美しく手入された庭。そして目の前には、たいそうきれいなピンク色の建物があらわれました。1925年代のアールデコ建築で、現在は美術の展示場として、館内が再利用されています。
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6月3日、いよいよセラルベス財団の広大な敷地内をぜんぶ使った、2日間のフェスティバルの幕開けです。この日だけは、すべての会場が入場無料で、ガーデンへの出入りも自由です。一般市民にももっと現代アートに触れて欲しいという趣旨で、セラルベスの企画部が3年前に始めたこのフェスティバル。昨年は2日間で入場者数が5万人を超えたそうです。

わたしも昼間から、客になって屋外で繰り広げられているイベントを見物しにいきました。各国のコンテンポラリーダンス、アートパフォーマンス、サーカス、人形劇、野外ステージでのコンサートなど、プログラムは盛りたくさん。さすがに家族ずれや老若男女で賑わっています。
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庭のなかに数種のサウンドオブジェを設置してあり、自由に触れて楽器のように鳴らすことができました。作家のヴィクトル・ガマさんがこれから湖のほとりでサウンドパフォーマンスをするというので、まよわず見にいきました。小さな湖の両岸に弦を張った音響彫刻を棒でたたいたり、こすったりすると、ビョーン、ビューンと神秘的な響きが木霊しました。「こんどアキオ・スズキとロンドンでコラボレーションするんですよ」そう彼が言ったのにもなるほど頷けます。
実はこのフェスティバル、日本のアーティストとしては、鈴木昭男、メルツバウ、ヤマタカ・アイが過去に出演されているとのことです。
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stage.JPG夜7時すぎに、わたしの演奏の本番開始。フォーマルな会場オーディトリウムはほぼ満席でしたし、拍手もいいタイミングできました。しかしステージに一人立つというのは心細いときもあって、自分のなかから盛りあげていかなくちゃなりません。屋外でも魅力的なイベントが繰り広げられているので、家族づれなどが途中で席を立ってしまうのではないかというおそれもありましたが、どちらかというとポップな曲をすこしはしょって、エクスペリメンタルな方向に曲順を変えていった。50分の歌とエレクトロニクスの演奏を無事終えることができた時には、正直ほっとしました。ペドロや舞台監督のアルベルトもコンサートを楽しんでくださったようで何よりです。外に出たら、「Hacoさんの音楽大好きでした! ポルトガルは他にコンサートしないんですか?」って若い女性が話しかけてくれて、すごく嬉しかったです。

スタッフや出演者専用のまかないレストランで夕食。チーズと白魚とじゃがいもをオーブンで焼いた典型的なポルトガル料理。薩摩揚げ(いわゆるテンプラの元祖?)にそっくりなのがありました。デザートのヨーグルトケーキもとても美味!

夜の10時半になると野外では照明がたかれ、モロッコのサーカス団の見事なアクロバッドが人気を博していました。わたしは明朝の飛行機でパリに戻るため、途中でホテルに退散することにしました。

セラルベスで働くスタッフは、ほんとうに思いやりがあって、わたしが廊下なんかでうろうろしていると「どうしました? 手伝うことないですか?」とかすぐに明るく声をかけてくれました。若い人たちは英語も上手なのです。
「オブリガート!」。ポルトは、またいつか訪れたい街。こんど来るときはゆっくりとして、歴史地区なども観てみたいものです。
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HACO
歌手作曲家、プロデューサー、サウンドアーティストとして精力的に活動中。
元アフターディナー、ホアヒオ、ヴューマスターズ(現音採集観察学会)を主宰。
隔月刊ニュースレター配信中。

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