9月1日 Chunky Moveダンスカンパニーのヨーロッパ遠征から戻ってきたリー、アントニー、サラ。6人のダンサーが揃ったフルリハーサルを見るのは初めて。な、なんと、わたしの歌もの「Shower Alone」やステレオバグスコープで、ダンサーたちが踊っています。ルーシーが拙CDから気に入った部分を採用し、すでに振付がなされていたのでした。とくに「Shower...」では、鏡面になった4つの可動パネルで空間を移動させながら、床にのけぞったり、絡み合う彼らの動きは妖しいほど美しく、鳥肌がたちました。
9月2-6日 長身のリーのユニークなソロの部分、リズム部分の色付けなど、作曲構成の枠組みを作るパソコン作業。それと声のファイルの編集には時間を費やす。並行して、まだ固まっていないセクションの振付と踊り手のリハーサルは続行中。
金曜日はリハ終了後、隣のバーにみんなで飲みに行く。地ビールがこんなに美味しいのに、なぜかメルボルンっ子たちは、アサヒ・スーパードライばかりを好んで飲んでいる。
9月7日 今夜はThe Toffで、ニューヨークからDJオリーヴ、大阪から友人のティム・オリーヴ、メルボルン在住のロビン・フォックスたちが出演するギグを見に行く。ここのステージはピンク色のビロード幕が特徴。写真左:ティムとドラム奏者ロビーのセッティング。写真右:爆音とレーザー光線を操るロビンのパフォーマンス。
9月8日 24メートル長の廊下状ステージに沿って、客席が向かい合わせに並べられる。その客椅子の下には12個の小型スピーカーが置かれ、PAには4個のラウドスピーカーに加え、低音用サブスピーカーが設置された。この大掛かりな音響システムは「Corridor」のコンセプトに由来している。オペレートするのは若手エンジニアのアリで、マルチスピーカーPAを操るのは今回が初めてだという。わたしの使っているソフトやパソコン話しが通じるので、これは仕事しやすいのではと思いました。お互いマルチ音響舞台に挑戦することにわくわくしている。
9月9-12日 最終セクションで、ダンサーは白紙でできた衣装を身につけ、実際の紙の音を舞台上で鳴らす。ここでは音楽的な要素を排除し、音響的なアプローチに徹したものにしようと案を練る。ヴォイス・セクションの組み立てもし、ステレオ・フォーマットでの音構成が週末に完成。通しリハーサルでサウンドを合わせてみて、ルーシーやダンサーたちもとても気に入ってくれました。プリ・プロダクションのわたしの役目は大まかには終了したような気でいました。
9月15日 マルチスピーカーのシステムのために、わたしの作ったトラックをまとめてサウンドファイルを作成する。こういった転送作業はけっこうストレスを感じる。それでも、複数スピーカーから音出しする以上、必要不可欠な要素だ。どのスピーカーにどの音を振り分けるのか、という綿密な計算もしなくてはならない。すでにイメージが膨らんでいるルーシーは、「走る足音がこうやって座席下スピーカーを移動していくように」と簡単に手振りで指示を出すのですが、アリはすぐにそれを実現できない。初めて手にしたマルチシステム用のアプリケーションは、彼が思い描いていたような夢のプロラムではなかったようで、かなり手こずっているようす。
9月17日 朝の9時からラジオのインタビュー2本と、昼から雑誌のインタビューを受ける。「アイドル並の人気だね〜」とスタッフに揶揄される。ぜんぜん嬉しくない。セクションのサイズ変更があったり、詰めをしなくてはいけない時期なのに、プロモと事務に時間を取られて戸惑ってしまいます。
9月19日 とうとうドレス・ランの日がやってきました。舞台美術のドナルド、照明デザインのキース、衣装担当のポーラ&スージーもスタンバイ。それにフェスティバル関係者や知人を招いての公開リハーサル。わたしはすでに聞く側にまわっていて、座席で鑑賞チェックする。部屋灯りのようなライティングはシンプルだけれど、要所要所でとても効果的に働いている。実験的かつ繊細で美しい総合作品になろうとしている。
ただ、マルチ音響の方はなんとか急場をしのいでいたものの、ボリューム調整は不完全、タイミングとマニュアル操作はぎこちない。事故的に出てない音すらあるという始末。わたしは深い溜息をついた。これが自分のサウンドデザインと思われては困るのです。まだ終わってない。オペレーターのアリはいい人だけど、経験不足でいろんなことが出来ないのだ。彼の負担を減らすために、100%近くプリセットしたサウンドファイルを作成し直す必要性がある。プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、自分一人ではコントロールしにくくなる。こういう事態は予測してはいたけれど、根気強く日本に帰ってから残業をするしかないのです。文句言っても何も片づきはしないでしょうから。
9月20日 今回の滞在最終日。ルーシーとパートナーのギリオンがメルボルンの郊外へとドライブに誘ってくれた。ミケーラも同乗。2時間も車で走って、ウォーキング・コースの入り口にただりついた。遠目にワラビーの群れを発見。野生のカンガルーを見るのは初めて。向こうも「な〜んだニンゲンか」とこっちを観察している姿が愛くるしい。丘を降りていくと真っ青な海岸が目の前に広がっていました。岩の形状がいかにもオーストラリアって感じじゃありませんか。すこし人里はなれたところにあるので、わたしたち以外はビーチに誰もいませんでした。素敵な休暇をプレゼントしてくれて、ありがとう。
前半戦終了。ここでいったん帰国しますが、また10月にはショーの最終仕上げのために戻ってきます。
あとすこし課題が残されていますが、ショーの成功のため全力をそそぐつもりです。(#^—゜)V
9月2-6日 長身のリーのユニークなソロの部分、リズム部分の色付けなど、作曲構成の枠組みを作るパソコン作業。それと声のファイルの編集には時間を費やす。並行して、まだ固まっていないセクションの振付と踊り手のリハーサルは続行中。
金曜日はリハ終了後、隣のバーにみんなで飲みに行く。地ビールがこんなに美味しいのに、なぜかメルボルンっ子たちは、アサヒ・スーパードライばかりを好んで飲んでいる。
9月7日 今夜はThe Toffで、ニューヨークからDJオリーヴ、大阪から友人のティム・オリーヴ、メルボルン在住のロビン・フォックスたちが出演するギグを見に行く。ここのステージはピンク色のビロード幕が特徴。写真左:ティムとドラム奏者ロビーのセッティング。写真右:爆音とレーザー光線を操るロビンのパフォーマンス。
9月8日 24メートル長の廊下状ステージに沿って、客席が向かい合わせに並べられる。その客椅子の下には12個の小型スピーカーが置かれ、PAには4個のラウドスピーカーに加え、低音用サブスピーカーが設置された。この大掛かりな音響システムは「Corridor」のコンセプトに由来している。オペレートするのは若手エンジニアのアリで、マルチスピーカーPAを操るのは今回が初めてだという。わたしの使っているソフトやパソコン話しが通じるので、これは仕事しやすいのではと思いました。お互いマルチ音響舞台に挑戦することにわくわくしている。
9月9-12日 最終セクションで、ダンサーは白紙でできた衣装を身につけ、実際の紙の音を舞台上で鳴らす。ここでは音楽的な要素を排除し、音響的なアプローチに徹したものにしようと案を練る。ヴォイス・セクションの組み立てもし、ステレオ・フォーマットでの音構成が週末に完成。通しリハーサルでサウンドを合わせてみて、ルーシーやダンサーたちもとても気に入ってくれました。プリ・プロダクションのわたしの役目は大まかには終了したような気でいました。
9月15日 マルチスピーカーのシステムのために、わたしの作ったトラックをまとめてサウンドファイルを作成する。こういった転送作業はけっこうストレスを感じる。それでも、複数スピーカーから音出しする以上、必要不可欠な要素だ。どのスピーカーにどの音を振り分けるのか、という綿密な計算もしなくてはならない。すでにイメージが膨らんでいるルーシーは、「走る足音がこうやって座席下スピーカーを移動していくように」と簡単に手振りで指示を出すのですが、アリはすぐにそれを実現できない。初めて手にしたマルチシステム用のアプリケーションは、彼が思い描いていたような夢のプロラムではなかったようで、かなり手こずっているようす。
9月17日 朝の9時からラジオのインタビュー2本と、昼から雑誌のインタビューを受ける。「アイドル並の人気だね〜」とスタッフに揶揄される。ぜんぜん嬉しくない。セクションのサイズ変更があったり、詰めをしなくてはいけない時期なのに、プロモと事務に時間を取られて戸惑ってしまいます。
9月19日 とうとうドレス・ランの日がやってきました。舞台美術のドナルド、照明デザインのキース、衣装担当のポーラ&スージーもスタンバイ。それにフェスティバル関係者や知人を招いての公開リハーサル。わたしはすでに聞く側にまわっていて、座席で鑑賞チェックする。部屋灯りのようなライティングはシンプルだけれど、要所要所でとても効果的に働いている。実験的かつ繊細で美しい総合作品になろうとしている。
ただ、マルチ音響の方はなんとか急場をしのいでいたものの、ボリューム調整は不完全、タイミングとマニュアル操作はぎこちない。事故的に出てない音すらあるという始末。わたしは深い溜息をついた。これが自分のサウンドデザインと思われては困るのです。まだ終わってない。オペレーターのアリはいい人だけど、経験不足でいろんなことが出来ないのだ。彼の負担を減らすために、100%近くプリセットしたサウンドファイルを作成し直す必要性がある。プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、自分一人ではコントロールしにくくなる。こういう事態は予測してはいたけれど、根気強く日本に帰ってから残業をするしかないのです。文句言っても何も片づきはしないでしょうから。
9月20日 今回の滞在最終日。ルーシーとパートナーのギリオンがメルボルンの郊外へとドライブに誘ってくれた。ミケーラも同乗。2時間も車で走って、ウォーキング・コースの入り口にただりついた。遠目にワラビーの群れを発見。野生のカンガルーを見るのは初めて。向こうも「な〜んだニンゲンか」とこっちを観察している姿が愛くるしい。丘を降りていくと真っ青な海岸が目の前に広がっていました。岩の形状がいかにもオーストラリアって感じじゃありませんか。すこし人里はなれたところにあるので、わたしたち以外はビーチに誰もいませんでした。素敵な休暇をプレゼントしてくれて、ありがとう。
前半戦終了。ここでいったん帰国しますが、また10月にはショーの最終仕上げのために戻ってきます。
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歌手作曲家、プロデューサー、サウンドアーティストとして精力的に活動中。
元アフターディナー、ホアヒオ、ヴューマスターズ(現音採集観察学会)を主宰。
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