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Riska-feedback 02


「Untitled」    by Toshiya Tsunoda

今朝ホントにじっくり「RISKA」聴きました。

●物語性
●質感
●「現実感」

このあたりがミソですね。
まずは質感。
ミキシングで大変そうだったのはこの音構成なら当然ですよね。
声の多重に中高域、中低域のふわふわもやもやした音とホワイトノイズこれらの分離はどっかの帯域引っ張れば別のところで問題が起たのではないでしょうか。
チェロの引っ掻いた時の倍音なんかも下手すると軽くてドアのきしみ音のようになってしまうのでは?
ハイハットの開閉とかも高域だけでなくて低域も同時にあるし、シャワー音の質感もEQ次第で随分印象が変わってしまうでしょう。
そして声。TVのカラーバランス見る時も人肌が一番なように声の質感を埋もれずに出すのはこれも大変そう。
デッドな音から急に滲むように広がるところもそういった音色バランス次第で広がり感が変わるってしまうのでは?
難しい楽器群ではないでしょうか。
しかしアコースティックがいい感じです。

物語性ですが、このアルバムは凄くゆっくりと流れています。
なので聴いてた7、10年くらいたってしまったような時間の流れを感じます。

プログレッシャーな私としては3曲目や最後のフラッシュバックあたりにうるうる来ますねぇ。
一人称のアルバムって感じです。

「現実感」。括弧がついてるところがポイント。
実は全編「マグネティックフィールド・オブ・リスカ」のようだったらどうしようか、と思っていたのでした。
しかし桁違いと言うか次元が違います。
あそこにあれを持ってくる、という構成はピンク・フロイドの...おっと、やめとこう、悪い癖がw。

変な書き方ですが、私は最近のエレクトリカとかの幽霊女に辟易していました。
色んな音、フィールド録音とかをラップトップでごちゃまぜにして歌をかぶせて、ダブがどうしたとかまで言い出したりして、実に安易な音楽があります。

しかし物語のところもそうですが、「リスカ」全体は地に足が着いた音楽です。
だから、マグネティックが飛ぶんです。
歌詞もそうです。
半分浮いて戻ったり飛んだり。
スレッショルドの存在感。
そして音楽の中に現実音が入ってくるということは「非現実」が逆接で意識されます。
この「非現実」は幻想の世界ではなく、自分の普段の行動が括弧にはいってしまう。
電磁波化された情報に泣いてしまうこともあるわけです。
リスカは表現しがたい存在の者。
その意味でスレッショルドの合間から聴こえる現実音が必要なのです。
実に理にかなっています。

まだまだ書けそうですが、とりあえず大事なところを書きました。
そしてハコ・ファンとして嬉しいのは制作に関連して知りあって以降に作られた音楽である、ということ。
私を知ってるハコさんが作ったというのがファンとして嬉しいです。
愛聴します。
ジャケもまた素晴らしい。プロダクトも最高ですね。
やるなぁユニオンも。

(2007-05-03記)  

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HACO
歌手作曲家、プロデューサー、サウンドアーティストとして精力的に活動中。
元アフターディナー、ホアヒオ、ヴューマスターズ(現音採集観察学会)を主宰。
隔月刊ニュースレター配信中。

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