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●View Masters Remix展覧会のレポートです
日時:2007年2月3日(土)〜 2月18日(日)
会場:浜寺公園ステーションギャラリー(南海電鉄本線浜寺公園駅舎内)

展示作品:
・Snawklor (Dylan Martorell & Nathan Gray) "Station to Station"
・宮本博史 "いつものように"
・HACO&角田俊也 "The TramVibrarion Project"
・梅田哲也 "トラムる"
・田尻麻里子 1.エコー (echo) 3分43秒 2.声 (voices) 3分31秒
・Geoff Robinson "Within the surrounding area of the junction of Hankai and Uemachi tram lines
(including Sumiyoshitaisha station, Sumiyoshitaisha shrine, Kaminoki tram stop and Yamato river),
Thursday 18 February to Thursday 25 February 2007, Osaka, Japan."
・ヴューマスターズ・アーカイブ
2002年-2005年に開催されたヴューマスターズ・ワークショップでの音源・コンサートの映像を紹介


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(写真撮影 by Haco)


★この展覧会の受付やメンテナンスを手伝ってくださったスタッフの方による鑑賞レポートです。mixiサイトの日記にアップしていらっしゃたのを、ご本人の了承を得て、抜粋にて転載させていただきました。ご協力ありがとうございました!
(以下、執筆者:のそさん、2007/02/12記) 

●ネイサン・グレーとディラン・マートレイル
この二人組みは、アボリジニの住居のような模型と色とりどりのシルクスクリーンで作った紙のパーツとダンボールを巧みにに配置した作品。
すべてシルクスクリーンで制作した不思議な色合いの紙のパーツ。元は手で書いたと思われる細かな文様は、アボリジニアートと呼ばれるものと似ている。山塚アイとか好きらしい。
音はメルボルンで採ったものと大阪で採ったものが同時に流れていて学校のチャイムなどが聞こえてくる。
ぜひ全体を見たあとに、細かい部分をじっくり見てほしい。実はまち針でパーツを留めてたり、鬼のお面がひょっこり隠れてたりするから。。。

●ジェフ・ロビンソン
木のパーツとアクリルの透明板をクランプとプラスチックのジョイントだけで組み立てたなんとも奇妙な立体。その危ういバランスは存在感大なんだけど、この歴史的建造物のギャラリーよりもホワイトキューブに置いてあげた方がよかったかも。
音はちんちん電車のいろいろな駅で採取した音たち。
いろんな方向に取り付けたスピーカーからランダムに流れる。

●宮本博史
ちんちん電車のある駅に置いてあった椅子とかさを借りてきて、その椅子に座りながら彼が採取した音を聞きつつ、窓にあるモニタの映像を見る。
映像には猫が通り過ぎたり、自転車に乗ったおばちゃんがとおり過ぎたり。。。音とリンクしているかのような錯覚に陥るのだけど、実はリンクしていない不思議な感じ。
ギャラリーの窓から明かりが指して、音を聞きながらじっと座っていると別の世界に持っていかれる。

●梅田哲也
風船とオープンリールデッキと扇風機。どう考えても繋がらないマテリアルは、彼の作品のマストアイテム。
オープンリールデッキを駅に見立て、テープが駅を通過していくと、録音された音が流れる、その対角線上にあるもうひとつのデッキは、ホームに設置されたマイクが集音する音、窓のガラスの振動、再生デッキから流れる音がミックスして録音される。電源が入っている限り、永遠に再生と録音のデッキの間をループし続けるテープは、時々扇風機の風にあおられた風船によって、その進行を妨げられる。その度に(聞いたことがある人は想像できる)あの「フギャ」というユニークな音がスピーカーから流れる。再生スピーカーから集音するマイクによって、今、現在の音と、何時位前かわからない音が劣化しながらも永遠に回り続ける。
見た目の奇妙さメカメカしさに関わらず素敵な作品。

●田尻麻里子
映像とそれに付随する音の特性を十二分に生かしたまさにビューマスターズ的作品。
人間の大人の視点からは普段見ることのできない高さ、角度でちんちん電車の中と、電車が走る街の風景からView Pointを探していく。
個人的ですが、高校生の頃、通学にちんちん電車を愛用していたものとしては、昭和初期に作られた、あの何度もペンキを塗り重ねられた木枠の窓の取っ手にずっとレンズを向ける田尻さんに脱帽してしまいます。
時々差し込まれるブラックアウト。一度も人の顔は出てこないけれど、ちんちん電車に乗るたくさんの人達の話し声や、ある子どもの「今日、おじいちゃんとこ行ってもいい?」という問いかけと嬉しそうなおじいちゃんの会話。
本当に日ごろ見過ごしているView Pointを丁寧に教えてくれる作品です。

●HACO&角田俊也
あの、す、すいません。きちんと見る&聴く時間がなかったので、次回レポートしますです。(汗)

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のそさんの感想文は以上で終わっているので、作品「TramVibration」については自分で説明します(笑)
以前、このブログでも作品制作ロケの様子を掲載しましたので、それを参照してくださいね。
「路面電車でVM的コラボ 」
会場で展示したのは、2枚のCD作品で往路Phase1、復路Phase2
そして路面電車内でレコーディングする角田&HACOのドキュメンタリー・ビデオ作品(撮影編集:山田勇二)です。
角田氏は電車の個体振動を拾うため、わたしはステレオ・バグスコープ(2個の誘導性マイク)で電磁波を検出するため、黙々と録音している2人の作家のようすは、「まるで別次元の感覚のみを使って交信しているような(梅田さんの談)」異様な光景でした。しかしこの映像が各方面ですごく評判が良かったんです。
山田さん、ディレクターの小島さん、記録録音の上田さんに感謝せねば。


★2月3日のオープニング&レクチャーでは、ギャラリー会場で身動きができないほどのお客さんが集まりました。各出展作家による作品解説、ジェイン・ハンドソンさん(キュレイター)の特別レクチャー「オーストラリアのサウンドアート事情+ヴューマスターズのおもしろさについて」、ワークショップへの参加方法の説明など。英語の通訳付きで、二都市交流イベント・VM2007の幕開けとなりました。
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HACO
歌手作曲家、プロデューサー、サウンドアーティストとして精力的に活動中。
元アフターディナー、ホアヒオ、ヴューマスターズ(現音採集観察学会)を主宰。
隔月刊ニュースレター配信中。

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